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洪水に揺れる豪ドル 資源国通貨、持ち高解消続くか

4日のニューヨーク外国為替市場では資源国通貨の下落が目立った。資源国を代表するオーストラリアを巡っては大洪水による景気押し下げ懸念が強まっている。原油や金などの商品先物相場も軒並み大幅安となった。投資家はこれまで「商品買い・資源国通貨買い・米ドル売り」という持ち高を膨らませてきたが、これを解消する動きがにわかに活発になっている。

資源国通貨を売る条件は整っている。決定打となったのがオーストラリア北東部を襲った大規模な洪水だ。バークレイズ・キャピタルは「鉄鋼用原料用石炭(原料炭)や小麦では世界最大級の輸出国である同国の輸出や経済活動に大きな影響が出る」と指摘した。

豪中銀は2009年10月から10年11月までに7回にわたって計1.75%の利上げを実施してきた。国内経済の底堅さや中国による鉄鉱石などの需要の強さを背景に利上げ基調が続くとみられてきたが、市場では洪水による景気押し下げによって中銀が追加の利上げに慎重になるとの見方が広がり始めている。

前年末に豪ドルは対米ドルで1豪ドル=1.02米ドル半ばと豪州が1983年に変動相場制に移行して以来の最高値を付けた。米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告によると、10年12月28日時点の投機筋の豪ドル(対米ドル)の買い越し幅は6万4316枚と約2カ月半ぶりの水準に拡大している。HSBCは「投資家のリスク許容度の高さは続きそうで豪ドルにはよい環境だが、米ドルに対して等価(パリティー)はやや割高」と分析。特に景気減速のリスクがある現状では、投資家による買い持ち高の縮小で0.9815米ドル程度まで豪ドル安が進んでもおかしくないとみる。

豪ドルが弱含む材料がでるなかで、重なったのが商品相場の下落だ。前日に過去最高値に迫った金先物相場は一転して、前日比3%下落した。銀や原油先物も大幅安となった。外国為替市場では豪ドルのほか、資源国通貨であるカナダドルにも売りが広がっている。カナダドルは前日に対米ドルで08年5月以来の高値を付けていた。7日の12月の米雇用統計の発表やバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言など重要なイベントを控え、上昇基調にあった商品や資源国通貨には利益確定や持ち高調整を目的とする売りが膨らんでいる。

もっとも、「オーストラリアやカナダなどは日米や欧州諸国に比べると経済や財政状態が格段によく、『買われすぎの修正』以上の動きに発展するとは思えない」(INGキャピタル・マーケッツのジョン・マッカーシー氏)との見方は多い。休暇ムードが抜けていないうえ、商いも薄いことから、4日の値動きが大きくなったという分析だ。年初の急調整にも、市場参加者の資源国通貨に対する強気姿勢はくずれていない。

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